本(BOOKS)

『跟我説日語』

友人の友人が出した『跟我説日語』(呉小璀編・ 中国宇航出版社2002.8)を入手。日本語会話のテキストだが、そこに挿絵風にある 日本紹介の、“背景知識”が面白い。「日本人の家に行き、トイレのスリッパを 履いてきてしまった時には、ゴメンナサイと言って……」の下りには大笑いした。 僕らもやることなので、まして外国人ならなおさらだよな、ということだけで 納得する笑いのみならず、自宅で何度もそうしたことのある自分に向かっての笑い でもある点が痛い!

 そのように日本人の盲点を衝いているだけではなく、日本人を相対化する 視点がおもしろい。たとえば、日本人のマメさを冷静に評価しながら、一方で、 その日本人の狭量さ・不寛容性をも冷静に見据えている。しかも、そのどちらにも 共通する日本人の心性──他者との摩擦を回避するためあるときは小心翼翼と 大勢追随し、またあるときは異分子としての他者を攻撃する──をあぶり出し ている。

 会話の本のスキマの中で、これだけのことを書けることに敬服。編者には、 この延長上で本格的な仕事を期待したい。  (2002.12.05)


ケ小平理論概論

学生が学ぶ学科の中でユニークなのが、 『ケ小平理論概論』と『マルクス主義哲学原理』。「公共政治課」の指定教材らしい。 興味が湧き、『ケ小平理論概論』の参考書を借りてみた。「当代中国のマルクス主義」 という導入の章から始まり、「1ケ小平理論の精髄」「2社会主義の本質」 「3社会主義初級段階理論」「4社会主義初級段階における党の基本路線と基本綱領」 「5社会主義建設の発展戦略」「6発展する社会主義市場経済」 「7社会主義民主法制の確立」「8社会主義精神文明の建設」 「9祖国統一実現の戦略構想」「10社会主義現代化建設の外交戦略」 「11社会主義事業の指導中心と依拠する勢力」と11章でできている。

 参考書なので、それぞれの章毎にそのポイントを簡単にまとめ、練習問題が続いて いる。その問題形式は、四択から一つを選ぶもの、五択から正しいもの全てを選ぶ もの、「簡答」という短文の小論文、本格的論述文の4スタイル。出題に工夫がされている なぁと思いつつ、ちょっとやってみた。
 しかし、むずかしい。例えば一番やさしいと思われる四択択一問題で……。
○思想解放の根本的目的は、(  )
 Aさまざまの枠にはまった束縛を突破するためである。
 B教条主義と書物主義を批判するためである。
 C実事求是である。
 D真理を堅持し、発展させるためである。
 どれも正しいように思われて迷う。正解はCとのこと。ケ小平理論という点から 考えるとそうなのかなぁ、という気もする。なるほど、真面目な思考は障害となる のでしばし押さえ、求められているものをめざとく看破してそれらしいものを選ぶ、 ──という受験テクニックがこちらでも必要なようだ。  (2002.10.31)


量り売りの本!

自転車で走っていて、本屋さんというところには、 よく立ち寄ることにしてます。どんな土地でも本屋は文化の発信地──という思い がどっかにあります。日本の本屋さんはどんどん潰れてしまって、あ〜〜、どうなる のだろ、という思いがあったりします。
 で、先日、『11元図書』という本屋さんを見つけました。どんな本でも、 1sが11元(約170日本円)なのです。 日本だって、"BOOK OFF"みたいに本の内容の価値よりも賞味期限を問題にして 価格設定をしているところがある、ならばその延長上に、本の重量 で値段設定するって、紙の値段+流通経費のどこを見ても市場経済風に徹底してます ね。 「へーっ、こんなのあるんだ!もう、日本の先を行ってるのでは」という気持で、 本を渉猟しました。本探しっていいですね。でも、他のお客とぶつかったりして、 どう身体をうまくかわすかがコツなのですけど、中国の人と僕とはかわし方が違う みたいで結構苦労します。
 で、村上春樹の『ノルウェイの森』 の中国語訳本をみつけました。日本ではハードカバー本が、上下巻で計520ページ くらいで、この中国語全訳本は350ページです。中国語の小説を日本語に訳すと、 文字数で1.5倍に大体なると、誰かから聞いたことがありますけど、中国語本で重さで 買う場合濃縮されていていいですね。ということで、定価は18.8元なのに7.3元 (約110日本円)でした。(上海譯本出版社・林少華訳2001年2月第1版)
 ずいぶん昔に読んだ小説だけど、うろ覚えで「緑」との会話はどう訳されて いるのか気になってちょっとながめた所、「緑」は「緑子」となっていて、ハードな とこは軽くぼかされていました。  (2002.10.26)


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