これは便利!

■編績帯(荷物用の袋)

  手前は小、向こうは大

 バスなどでは所謂ズタ袋を背負ったお兄さんが、粋な感じで乗って 来たりするのだけど、どうも僕には似合いそうもない。そこで、注意深く 学生諸君の帰省していく姿を見てみると、スーツケースが圧倒的だ。そして、 ちょっとした残りの荷物を、この袋に入れている。
 袋、というと的確ではない。荷物を入れた状態で、円柱状ではなくきちん と直方体になるのだ。しかもとっても丈夫で、10キロぐらいのものを入れても へこたれない。それに、しっかりと取っ手もついている。
 小は横約60cm、大は横約1m。それぞれ3.5元(約50日本円)、5元(約75日本円) とどちらも大体牛肉麺ほどのお値段。
 これで、中国での荷物運搬はOK。郵便局にも、この袋を持った人は必ず いて、袋毎どこかへ送ろうとしている。けっこうトレンディーなのだ。 (2004.7.5)


■ハエたたき

     バシッ!

 昼に入ったお店の小姐は勇ましい。ハエたたきを手に、バシッ! バシッ!と叩きまくっている。これでは、さすがの蠅くんも参るだろう。
 蒸し暑くなるとうるさいのは、蠅。「うるさい」と入力すると「五月蠅い」 と出るから、今ごろの蠅だろうか。いや、陰暦5月かもしれない。 ともかく、夏になるとどこでも見られた日本の光景だった。
 天井からつるす「蠅取り紙」とハエたたきと、そして、ラムネあたりは、 夏の風物詩であった。それがいつのまにか消えていったのは、1960年代の 高度成長の頃だろうか。替って登場したのが、殺虫剤。悪しき者は抹殺せよ という大量殺戮の時代が来たのだ。蠅から見れば。
 そうして人間にとって失われたのは、蠅と一対一で立ち向かい、技と技術 で蠅を倒すという運動能力だ。蠅の位置と飛び立とうとする方向を一瞬の うちに察知し、ハエたたきを即座に振り下ろす。それは、簡単なようでいて 難しい技術が要求されたのだった。力をこめすぎてはならぬ、鍛えられた 眼力と瞬間的判断力が求められた。

 感の良い読者はもう思い至っただろうが、あの「居合い抜き」の極意に 通ずるものが、ハエたたきの世界にはあったのだ。そして、どこにも ハエたたきの名人がいて、誰もが密かに尊敬していたのだった。
 残念ながら、今、そのハエたたきは日本にはない。人間の根源的能力を 訓練する機会は失われてしまった。しかし、この地には、まだなおそれが ある。
 そこで、希望する読者には無料にて進呈しようと思う。メールにてその 希望を募りたい。ハエたたきを持って、敢然と蠅に立ち向かい、なおかつ、 失われつつある能力の向上、いや再生をねがう方のメールをお待ちする。 なお、宮本武蔵のように、箸で蠅を取り押さえようと考えている方には、 ハエたたきは不要である。その道を極めることを願う。 (2004.5.30)


■練炭
  店前に無雑作に置かれた練炭

      練炭火鉢

 ひざしが春めいてきた此の頃、今のうちに撮っておかなければいけない な、と思っていたものの一つが「練炭」。

 なじみの「一品牛肉面」の店先に置かれているもので、大きさは、日本で よく使用されていたものより少し小振り。こんなものでスープができるか、 と心配する向きもあろう。ということで、右画像を見ていただきたい。三つ 入るのだ。そして、よく見ると、二段になっている。

 う〜ん、なかなかのもの。練炭火鉢には大きな練炭が一つ入るもの、 という常識を見事に打ち破ったアイディア商品ではないか。

 「遅れてるー」という向きもあろう。しかし、考えてみると、練炭火鉢の 姿を見なくなったことで、失われた感性もあるのだ。「冬はつとめて。 ……いと寒きに、火などいそぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもて行けば、炭櫃、火桶の火も、白き灰がちに なりてわろし」(枕草子)というあの感性。一千年以上にもわたってつづいて きた感性は、たった数十年で淘汰されてしまった。

 練炭も、石炭もガスも石油もという多様性が重要ではなかろうか。 (2004.3.11)


■風力発電


 海辺を走っていて気づくのは、小型発電機のプロペラ。長さ1.5mほどの 羽が勢いよく回転している。
 画像では静止して見えるが、それはシャッター速度のため。この程度の ものでどの位の電力が得られるのか、また、風向によって羽が動くシステム なのか、あるいは、蓄電装置も付属しているのか……といった疑問がわくが、 海沿いの比較的風のある場所には最適のもの。
 エネルギーをむだにせず何でも利用するというのは、今では当然視され ているけど、身近にあって誰もが個人で利用できるシステムであるという点で もしかすると日本より一歩前を進んでいるようにも思えた。
 そして、帰りにぼんやり思った。日本のフィットネスクラブ(何という日本語!) などで、動かない自転車を漕ぐ装置があるけど、そのエネルギーの有効利用 も考えられるなぁ、と。
 たとえば、「漕ぐ力×時間=排出総エネルギー」という形で自動的に計算 され、価格割引がなされ、クラブはそのエネルギーを貴重な人力エネルギーと して電力会社に高額で引渡す。電力会社は、こういった人力エネルギーを 総合して、原発反対意志としてみなし、それに応じて原発を撤去する……。
 う〜ん、新たな法律も必要だけど、これはなかなかのアイディアではない か。「ダイエットで原発廃止!」などという華麗なコピーまで浮かんできて しまった。 (2004.1.2)


■牛による耕作

     午前11時


     午後5時半

 これは、製品ではないけれど、じっと見ていて「便利」なものの一つ なのだなぁ、と思ってここに書くことにした。
 僕の部屋のすぐ西側は畑になっている。SARSが席巻していても、農の営み に変わりはないのだろう、これまで硬い土と化していた畑を今日は朝から耕作。 失礼ながら見下ろす形で見ていると、牛は、のんびりと、しかし確実にまっすぐ 歩み、硬土はみるまに掘り起こされて、土本来の色に変わっていく。
 午前中で牛さんの仕事は終了、耕された畑の形は溝に沿って整えられ、種が 植えられ、そして保温のためかビニールシートで覆われた畑の全体画像が右。
 かんがえてみると、トラクターの姿はあまり見かけない気がする。むろん、 機械化の必要がある所は機械化されているのだろう。しかし、この広さの畑 なら、牛さんの力が十分威力を発揮しているように思えた。あたりまえのこと だが、「便利」さは、その土地に応じたものが一番だろう。 (2003.4.26)

    

 それから6日後の今日朝9時半、上で書いたすぐ向こう側の畑を耕している 姿を見た。それも老夫婦なのだろうか、たった二人で人力で耕している。牛追いの 掛声もなく、黙々と進む姿にハッとした。牛も貴重なのだ。牛があればいい、 なければ自力でやる。それが当たり前なのだ。
 夕刻、どうなっただろう?と見ると、畑の半分ほどで終わっている。その画像 を撮影する気持になどとてもなれなかった。 (2003.5.2)



■握力エキスパンダー左にも右にも握力増進用のバネがある


 自転車のおかげで足と腰はOK。しかし、ビールのせいか、中華料理の油の せいか、それとも昼寝付のせいか、どうも上半身、それもウエストが太く なりつつあることに気づいた。これはいかん、ウエスト70p台をキープ しないと…… と思いつつデパートを散策してみると、懐かしのエキスパンダーがある ではないか。5種類ほどのうち、その一つは握力増進用にバネもついている。 これは、いい。握力向上だけでも、エキスパンダーとしてだけでも、また 一挙に両方を使用することも可能だ。弛緩しつつある筋力を鍛えて明日 のために備えよう!59元(日本円で約900円)。

 の魅力がこの製品には確かにある。 「気に入った、これは欲しい!」と、共に筋肉増強にいそしみたい人は オーダー・メールを。いつかその暁に、日本でたらふくビールとお寿司 (回転寿司でいいっす)をおごってくれることを条件にお送りしますヨ。あっ、 それでは旧の木阿弥かな? (2002.9.22)


■中国的電気釜

ただいま冷凍水餃子を蒸してます

 こちらの電気釜は、なんと言っても蒸し器が付属しているのがユニーク。 画像のように、日本の普通の電気釜の上に専用蒸し器をのせると、蒸し器と して立派に使用できるのだ。

  出来上がりました、どうぞ!

 もちろん、専用蒸し器を外せばただの電気釜としても使用できる。保温 装置もある。ちょっとしたアイディア商品で、日本でもあっていいではないか、 と思う。長江商場というスーパーで、100元(日本円で約1,500円)。 (2002.9.9)

 で、考えてみると、水餃子って煮るのであって、蒸かすのではないのでは ないかと思い至り、水餃子については、現在ではこのすぐれた蒸し器を使用せず、 フライパンで煮るようにしています。それでいいんでしょうか? (2002.9.11)

 9/17に、「水餃子は煮る・ゆでるのが王道です。 蒸すのは広東人用の餃子の時だけでしょう」というメールを頂戴 しました。なるほど、これで自信を持って正しい食生活と人生を歩める 気がします。(2002.9.17)


■時間表示信号

あと15秒で青になります
  

あと9秒で赤になります

 昔、北京で「!」マークの道路標識があって、気持まで「!」になった ことがあったけれど、これは一目瞭然で便利。青信号なら、「あと〜秒で赤に なりますよ」というメッセージだし、赤信号なら、「あと〜秒ですからお待ち ください」というユーザーの心理に即したメッセージとなっている。

 昔、といっても1980年代はこんな便利なものを見かけなかったような気が する。信号なんかまったくお構いなく、車も人も自転車も走っていた。その アナーキーな所が妙に魅力的だった。

 こういう親切な時間表示の信号は、そんな人たちにどうしたら信号を守らせる ことができるのか──苦労と試行錯誤の結果出来たものなのだろう。そういう ユーザーフレンドリーな所に共感した。

 で、信号がない所ではどうなのだろう?と、まだ信号が設置されていない 交差点で見守ること20分、相手が車だろうと何だろうと自分の道を歩もうと する人々がほとんど。どこか、ホッとした。

 日本のものはかなりがユーザーフレンドリーで、それが企業展開必須の条件 となっている。だが、公的なあるいは準公的なものとなるときまってそうでは ない。それは、「お上」意識に違いがあるからだと思う。 (2002.9.11)


■スーパーマグカップ

取っ手がありきちんとした蓋もある

 中国を列車で旅行した人は、どこかでご覧になったと思う。乗務員の小姐 が、やかんでお湯を配ってくれる時、僕らはそれでも大きいと思っていたマグ カップを出すのだが、その時中国人は、その倍もありそして蓋付のカップを 手早く差し出すのだ。

 1984年にウルムチ方面へ旅行した時、僕はそのカップに圧倒され、いつか 入手したいとしみじみ思っていたのだが、この度、生活者となり、めでたく入手。 これは便利。ウーロン茶や緑茶の葉を入れておいてお湯を注げば、モバイルで 水分補給ができる。

 サイクリングに出た時も、キャップがしっかりしているので頼りになる。 自動販売機もあり、缶コーラなどが2.5元(約40円)で買えるけど、大瓶青島ビール が3元弱だということを考えると、このスーパーマグカップの方がずっと便利。

 ということで、仕事に行く時は、いつも持参している。何と呼ぶのか同僚 に聞くと、「杯子(beizi)」だという。ちょっと悲しい。お茶碗だって杯子と言う し、コップだってそう呼んだりする。「超杯子」とか、独特の素敵な名前を付けて 日本にも売り込めば、ヒット商品になるのではないかと思ったりしている。 (2002.9.9)

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